大判例

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東京高等裁判所 昭和42年(ネ)1914号 判決

以上の次第であるから、民法六五〇条二項により、控訴人は被控訴人のため、被控訴人が本件手形の裏書人として訴外中沢産業株式会社に対し負担するに至つた手形金一〇〇万円およびこれに対する手形の満期である昭和四〇年一一月一五日から支払ずみまで年六分の割合による金員を訴外中沢産業株式会社に対し支払うべき義務があるが、被控訴人には直接に支払う義務がないものといわなければならない。

控訴人は、控訴人が被控訴人に対し有する金銭債権をもつて本訴債務と相殺した旨主張する。しかしながら、控訴人が被控訴人に対し負担する前認定の債務は、訴外中沢産業株式会社に対し金銭給付を為すべき債務であつて、それは被控訴人に対する関係においては金銭給付債務ではないから、控訴人が被控訴人に対して有する金銭給付債務と同種の目的を有する債務ということができない。従つて、相殺は許されないから、控訴人の相殺の抗弁は採用できない(大審院大正一四年(オ)第六〇三号、大正一四年九月八日判決民集四巻四五八頁参照)。

(岡部 坂井 蕪山)

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